3月, 2021年

院長コラム5:当院の換気に対する取り組み

2021-03-08

当院の診療室はすべての個室(完全個室)に機械換気を備え付けていますが,第3種換気のため,排気のみ機械換気で,給気は給気口のみでは不十分ですので窓開け換気(常時)を行っていました.換気のモニターにはCO2アナライザー(下写真)を用いてCO2濃度が1000ppm以上にならないように窓開けの開き具合を調整していました.この度,令和3年2月25日より上記の写真にお示してありますダイキンのベンティエールという全熱交換機(第一種換気)の換気機器を設置しました.設置場所は上の院内見取り図に赤い四角で示しており,すなわち各個室診察室に1台ずつ,待合室に2台です.ダイキンのベンティエールは給気および排気が両者ともに機械換気となっているため,窓開け換気は不要となり,CO2濃度も600〜900ppmと良好です.この換気機器に加えて各診療室には大抵の歯科医院であれば設置してある強力な空気清浄機(別名:口腔外バキューム)と機械換気(排気専用)を各診療室に設置しています.専門家ではないので用語的に正確かどうか分かりませんが第3種換気よりの第1種換気となっていると思います.

*CO2 濃度は比較的簡便に測定できることから,従来より室内の換気状況を「見える化」するために推奨されています.呼気中のCO2 濃度はおよそ40000ppm とされ,一方,外気はおよそ400ppm 程度です.室内では換気がなされなければ,ヒトの数だけCO2 濃度は上昇し続けます.CO2 濃度を指標にすることは,空気が入れ替わったかどうかを調べるのに非常に適しています(下表).よく勘違いされていることに換気回数があります.換気回数2回/時間とは,30分ごとに窓を開けることではなく,簡単に言えば1時間に2回部屋の空気が2回完全に入れ替わることを言います.換気状況を監視することは部屋の大きさによって変化しますし,容易くありません.CO2 濃度を指標にすることは部屋の大きさに関わらず,空気の入れ替わりを簡便かつ安価に,監視することが可能となります.

    

 

 

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