2014.5.18.読売新聞の報道を受けて

2014-05-20

先日,新聞報道(2014年5月18日付けの読売新聞 朝刊一面)の記事によると,国立感染症研究所などの研究チームが3125の歯科医院にアンケート調査を依頼し,891の歯科医院から回答を得た.回答によれば約7割の歯科医院が患者に使用後のハンピース(紙面ではドリルの柄)を滅菌せず,アルコールで拭くなどして,次の患者に使用する不適切な処理をしていることが分かりました.その理由は,人手や費用ががかかるからとされています.

当院では開業当初より,ダックユニバーサル(シロナ社)という洗浄滅菌器を使用し,
すべての患者さんに対して1回毎必ずハンドピースは滅菌を行っていますので,ご安心下さい.

なお,滅菌のためハンドピースは取り外し可能部分と可能でない部分に分かれています.
当院では取り外し可能部分は,専用の滅菌器(Sサイクルオートクレーブ)に取り付け,洗浄,油注,滅菌まで行っております.また,脱気機構を有している滅菌器(Bサイクルオートクレーブ)でも滅菌を行い,用途に応じて使い分けています.
なお,滅菌器は脱気機構(空気を抜き真空状態にする機構)を有していない機種であるとハンドピースのような管腔構造(中に穴が開いている構造)である場合滅菌できません.
滅菌器も特殊な器機が必要となり,費用がかかるというわけです.
当院ではより感染防止対策の質を上げるために,取り外しができない部分は,バリア保護といってビニールチューブで被います.ビニールチューブは1回使い切りで使用後破棄します.
ここまで厳重に行っている歯科医院は,かなりの少数派と思われますが,非常に重要です.
当院の感染予防対策はスタンダードプリコーション*に則っておりますのでどうぞご安心下さい.

*スタンダードプリコーション:最高水準の感染予防対策 
患者さんの感染症の有無を完全に把握することは不可能なので,すべての患者さんに対して
一律で高レベルな感染予防対策.
スタンダードプリコーションは人手はもちろんのこと費用もかなりかかります.
しかし,スタンダードプリコーションを行っていなければ院内感染のリスクは高まるばかりです.

我々の医院にとってはハンドピースを患者さん毎に滅菌するということは至極当たり前のことで開業当初から行っています.その他にも大切なことはたくさんありますが,最重要なことはスタンダードプリコーションに則り感染予防対策を行っているか否かが鍵を握っているのです(院長).
 

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